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CLASKA ONLINE SHOP 速水真理のブログ

「アップデートする暮らし」第3回:堀井和子さんから教わった、テーブルクロスの使い方

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CLASKA ONLINE SHOP の「FEATURE / 特集・読み物」コーナーに、堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」という連載があります。

堀井さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる、写真と文のお便り。

毎回、写真の美しさにはっと息を呑み、文の心地よさにうっとりしながら、うれしく掲載しています。

どうしたら堀井さんのように、世間の口コミ・評価や偏見のフィルターを通さず、古いものも新しいものも有名無名も問わず、自身の目と心が素直に喜ぶものを選び抜くことができるのでしょう。その比類ない視点から発見された、素敵なものと出合うことができる喜び。センスとは何かという学びに満ちた場です。ぜひご覧いただけたらと思います。

 さて。我が家では、木製のダイニングテーブルに、テーブルクロスを敷いて使っています。

最近、淡く爽やかな色柄のテーブルクロスを買いました。食卓も、季節に合わせて衣替え。春を先取りするようなウキウキした気分で敷き替えた、ところが、そのわずか2日後、朝食時にお椀を持つ手が滑り、お味噌汁を派手にぶちまけてしまったのです。ガーン!

敷いて2日目・・・・・・、泣きそうになりながら大急ぎで洗濯し、干してからトボトボ出社。

そんな情けない失態を、思わず堀井さんにご報告したのでした。

“堀井さんのテーブルクロスのコレクションは数十年経ってもきれいに保たれていて、それはおそらく食事の所作自体の美しさや緊張感からして違うのだと、反省しきりです。”

そう、堀井さんのテーブルクロスのコレクションといったら!

以前「堀井和子さん、テーブルクロスについて教えてください。」というインタビュー取材の際にも、素晴らしい所蔵品の数々を資料で見せていただきました。

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加えて例えば、連載「第21回:白いおまんじゅう/白いポロシャツ/オオシマザクラ」に載っているテーブルクロス(下の写真)はマリメッコの "BASSO"。1975年~製造。なんと40年以上も昔に作られたテキスタイルですが、今なお新鮮でとても格好良く感じられます。

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本日3月15日(木) に公開したばかりの最新記事「第44回:MARISCAL のテキスタイルと料理の本/ネズの木のカゴ」に登場する鮮烈な印象のテキスタイルは、1990年頃に買われたのだそう。こちらも約30年も前のものです。

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どうしたらこんなにきれいな、良い状態で使い続けられるのでしょう。

・・・・・・すると数日後、堀井さんから一通の封書が届きました。

開けると中身は、驚いたことに、堀井さんお手製の「テーブルクロスの使い方解説書」だったのです!

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堀井さん宅の多彩な食卓風景の写真が印刷され、どんな風にしてテーブルクロスをきれいなまま楽しまれているのか、手書きの解説文が添えてあります。お味噌汁ぶちまけ小僧のわたくしめに、なんという有り難きお教え!

光栄と感激に震えながら、しかしこの秘伝の書をわたしだけのものにするなんてもったいないですのでと、堀井さんから許可を得まして、皆さんと共有したいと思います。(以下、『太字』が堀井さんのお言葉です。)

テーブルクロスを使っていると、トレー、お盆が必需品に。

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飛騨春慶の丸盆、ステンレスのトレー、木のお盆。テーブルクロスや天板の上に食器を直置きするのではなく、原則としてこのようにお盆やトレーを使ってらっしゃったとは!いやあ、なるほど・・・・・・と深く納得。それに、汚れを防ぐために機能的であるということを超えて、トレー・お盆とテーブルクロスや器との組み合わせが凛と格好よく、素敵です。

我が家では、テーブルクロスの上にランチョンマットやセンター、トレーを重ねて使っています。朝食は、ティーカップにはソーサーが付いているので、ジャム・マーマレードだけアクリルのトレーの上に置くくらいでも大丈夫。

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「トレー」と一口に言っても色々。このように透明なものなら、それなりの面積があっても下のテーブルクロスが透けて見えるので色柄を楽しめますし、存在感が軽やかで邪魔にならないですね。アクリルの涼やかな輝きや、上に載せたものの浮遊感も面白く見えます。ガラス板も、いいかも知れない。春夏の食卓で真似したいアイディアをいただきました。

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夕食の、特に味噌汁や煮物、トマト系のパスタの時は、トレーやお盆、ランチョンマットを使います。案外、和食のメニューは、取り分ける時や、椀や器の底部分、要注意です。

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テーブルクロスの上にテーブルセンターとランチョンマット、2枚重ねにすると、確かにより安心です。さらにそれぞれ様々な色柄を持っておくと、組み合わせによって、食卓の風景のバリエーションがものすごく豊かに広がりますね。

そんなにしょっ中、大きいクロスを洗濯するのは大変なので、クロスの使い始めは少し気をつけ、後半はランチョンマットなしのコーディネートを楽しんで、それから洗濯へ。

最後に、

自分が楽に、クロスの色とデザインを楽しめたら一番です。

と括られていたのでした。

はぁぁ、とても、とても勉強になりました。「楽に」、「楽しむ」。それがいちばん大事。

美しく、美味しい食卓とは、人に(自分にも、家族や客人にも)緊張の負担を強いるようなものではない。まさにわたしの場合、おろしたてのテーブルクロスを汚したくないというガチガチのプレシャーが災いしました。

「少々こぼしても、テーブルクロスの代わりに受け止めてくれるものがある(大きなテーブルクロスよりも、楽に洗ったり拭いたりできるマットやトレーがある)から大丈夫」という心の落ち着きと余裕があれば、所作もリラックスして優雅になり、こぼすこと自体、減るというものでしょう。

これまであまり探したことのなかったトレーやランチョンマットが、今はどんどん視界に飛び込んでくる。大好きなテーブルクロスや器と過ごす食卓の風景を、もっと試そう。目に、心身に、滋養が行き渡る食事を。もっと楽しんでいこう、という思いを新たにしています。

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写真は、いつかの我が家。テーブルは、木工作家 吉川和人さんの栗の木のライティングデスク。テーブルクロスは、堀井さんとCLASKA Gallery & Shop "DO" が作った「テーブルクロス 210×110 格子柄 グレー」です。

 

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