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CLASKA ONLINE SHOP 速水真理のブログ

「アップデートする暮らし」第9回:海水浴の上達

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海が好きです。この夏は、海水浴の上達に取り組みました。泳ぎの上達ではありません。海水浴の、楽しみ方の上達です。

なぜなら去年、海水浴で大失敗。今年はそのリベンジに燃えていたのです。

海水浴に「失敗」も「成功」もないだろうとお思いの方。わたしも「失敗って、あるんだな」とショックでした。

忘れられません。

ちょうど1年前の8月半ば。それはそれは楽しみな夏休み。とにかくきれいな海でのんびり泳ぎたい。ワクワクと、旅の計画を練りました。

行きたい海水浴場を前々からネットで探し、海の近くの宿も予約し、いざ出発当日の朝、家からワンピースの下に水着を着ていく張り切りっぷりで電車に飛び乗り、千葉の先の方へ。

そこにはずっと憧れ夢見てきた、抜けるような青空、眩しく照りつける太陽、サラサラの白い砂浜、どこまでも透き通りキラキラと輝く穏やかな海・・・・・・は一切無く、どんよりと低く垂れこめた灰色の雲、ぐずぐずに湿った茶色の砂浜、波風荒く濁った海が広がっていたのでした。

なんということでしょう。

確かに天気予報で、前日まで雨だったことも、当日は曇りであることも、情報としては分かっていたはずながら。頭の中のイメージは完全に、ネットで見ていた写真通りの「青い空・青い海」で、楽しみで、いっぱいでした。悪天候の場合もあるという、当たり前の、目の前の現実を、すんなりとは受け入れられません。自宅からかれこれ4時間近くかかってようやく辿り着いた、泥の波打ち際に立ちすくみます。

でも・・・、せっかく来たし・・・、いちおう・・・、入っておくか・・・。まばらではありますが、泳いでいる人も、いないわけではありません。

泳ぐとなったら心配なのは貴重品。とはいえ「いちおう入っておく」程度の少しのあいだ荷物を海の家に預けるのも面倒なので、ビニール袋に財布やスマホ・家の鍵などの貴重品を入れて砂浜に埋め、その上にバッグを置きました。これなら万が一バッグを盗られたところで大したものは入っていないので安心です。

そうしてワンピースを脱ぎ水着になったものの。水面にちゃぷっと足先をつけたら「冷たっ!」、おそるおそる進んで肩まで浸かれば「さむっ!」、高い波にザッパーンと張り倒され砂浜に打ち上げられたものだから「ぎゃん!」、泥水がゴボッと口に入り「からっ!」となった、一連の30秒ほどで「やめだやめだー!」とプンスカ上陸したのでした。

「苦汁をなめる」とはまさにこのこと、と開眼するほど苦い潮をなめました。

わたしはいったい何をしに来たんだろう。落ち込みます。がっくりうなだれ、仕方なくコインシャワーを浴び、のそのそ着替え、途方に暮れそうになったところで、いやいやドンマイ。海水浴の後、宿へチェックインするまでの間にと、別のお楽しみも用意していたのです。鴨川シ―ワールド。海水浴場と水族館が徒歩圏内にあるという点こそ、この地を選んだ決め手なのでした。

海水浴1本勝負ではなく、水族館とのコースを組んでおいてほんとうによかった。我ながらナイス。予定より早い時間だけれど、とっとと鴨川シ―ワールドへ向かおう。気を取り直して、水族館の方をたっぷり楽しもう。そうとなったら足取りも軽やかに。ずんずん歩いてゆきます。

しばらく経って、はっと息が止まりました。

貴重品ぜんぶ、砂浜に埋めて隠した。埋めたけど、掘り出してない。埋めた場所の目印として上に置いてたバッグ、いま持ってる。埋めた場所、もうわからない。

・・・・・・って嘘、バカ!?

慌てて来た道を引き返します。

わたしのバカ、バカーッ!!

砂浜を、こけつまろびつ、走って、走って。泣きそうです。

周りの風景や物との位置関係はどうだったろう・・・。おぼろげな記憶を辿り、おおよその場所に見当をつけたものの、埋めた跡がきれいで見分けがつきません。自分の妙な几帳面さがとんでもなく恨めしい。四つん這いになり、そこらじゅうを手当たり次第に掻きまくります。

ここ掘れワンワン、ワンワン、ウワーァァン・・・・・・(涙)

そうしてようやく掘り当てることができた暁には、安堵よりも情けなさと徒労感でトホホ・・・でしたとさ。

いやあ、失敗失敗。すでに海水浴シーズンも終わり頃、その夏たった1回きり出かけた海でのことでした。わたしは翌年のリベンジを強く胸に誓い、肝に銘じたのです。

【失敗した海水浴からの教訓】

1. 前もって計画しない。当日の天気で決行を判断する。
2. 泊りがけの予約はしない。日帰りで行ける近場を選ぶ。
3. 海の家の利用をケチらない。荷物は預け、安心して遊ぶ。

この3箇条を守り、今年は海水浴に成功しようではありませんか。

晴れた休日の朝。いざ、森戸海岸(神奈川・葉山)へ。念願の、青い海を目の前に、心が震えます。

沖に向かってスーイスイ。仰向けになってプーカプカ。ああ、なんて気持ちがいいんでしょう。夢中で繰り返します。去年のぶんも思う存分、好きなだけ、気が済むまで、飽きるまで、疲れ果てるまで、お腹がペコペコになるまで、いくらでも泳いで、浮かんでいよう。

しかしどれだけ泳いでも飽きないし、泳ぐ以上に浮かんで休憩しているからか、疲れる気配がないもんだなぁと見上げれば、お天道様がてっぺんに昇っていました。朝10時頃からだから、よくまあ2時間も海面を漂っていたものです。十分。満足。

お昼ご飯にしましょう。海の家で荷物を受け取り、シャワーを浴びて着替え、海を見晴らせる木陰のベンチに陣取ります。

持参した保冷バッグからおもむろに取り出すは生ハムとブリーチーズ。家で炙ってきたバゲットに挟み、白トリュフオイルをたらり。水筒には冷えた赤ワインを詰めてきました。サンドイッチはぐはぐ、赤ワインくぴくぴ。最高です。暑さで生ハムの脂とチーズがとろりと柔らかく溶け出してくるのもまたよし。

去年のリベンジ、海水浴の上達、大成功~。インスタグラムをやっていないのにインスタ映えっぽい調子に乗った写真も撮ったし、ご機嫌で家路についたのでした。

さて。お盆を過ぎ、秋の気配が感じられるようになりました。今年はこんな風にして2回行った海水浴。来年は何回行けるだろう。どこでどんな風に楽しもう。早くも次の夏と海が恋しくなっています。

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