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CLASKA ONLINE SHOP 速水真理のブログ

「アップデートする暮らし」第11回:コートの新調

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冬用のコートを新調しました。17年ぶりに・・・。

(左奥が旧、右手前が新)

大学を卒業したとき「いつかこんなコートが似合う大人の女性になりたい」と志し、デザイン面でもお値段面でも思いっきり背伸びして買った濃紺のロングコート。

それを、気づいたら17年間(!)、着続けていたのです。

途中、他のコートに浮気して、このコートを着なかった冬もあったと記憶しています。でもまた戻って。

他のコートは飽きて処分したり売ったりしてしまったのですが、このコートだけはなぜか一向に飽きず。結局、冬用のコートはこのただ1着だけ。手元に残りました。

確か2~3年前にも、若い人から「そのコート、形きれいですね」と言ってもらえたことが。「デザイン的に古い感じはしてないんだな」と、嬉しかったりしたものです。

しかし昨年になっていよいよ一気に、物理的な劣化の波がやってきました。裏地やポケット内の化学繊維の部分が、ビリビリに裂けボロボロと崩壊し始めたのです。

「ひええ、これが化学繊維の死に際か〜」と恐れおののきつつ、お直し屋さんに駆け込みました。表地は平気ということで、裏地だけぜんぶきれいに張り替えていただいたところ、まさかの新品同様に。不死鳥のごとき復活を遂げたのでした。よし、まだまだ着られる。

ということで18年目の今年も「コートを探す/買う」必要はゼロ。

それが思いがけず、まったく予定外に、新しいコートを買うこととなったのです。"Dessin de Mode" の、黒いコクーンシルエットのコートを。

"Dessin de Mode" は、2016年に立ち上げられたばかりの、日本のファッションブランドです。そんな最新のブランドをなぜ知り得たかというのも、CLASKA のスタジオを使って今年の2月に2018AW展示会を(その後7月にも2019SS展示会を)開催してくださった、有難いご縁から。

とはいえここで言う「展示会」とは、セレクトショップのバイヤーさんなどの取引先を招待してコレクションのお披露目と商談を行う機会であって、一般には公開されていません。

本来であればわたしたち CLASKA スタッフであっても立ち入れる場ではないのですが。会場を担当した営業の大槻さんがオフィスで「Dessin de Mode、ヤバい。格好いい。皆にも見て欲しい。絶対好きだと思う」と騒ぐのです。大槻さんといえば相当な服バカ・・・じゃなくて、ファッションアディクトでお洒落さん。彼がそこまで言うんだったら、そりゃ気になってしょうがないし見たいに決まっています。

皆で懇願したところ、先方様のご厚意により、特別に見せていただけることに。やった〜!と喜び勇んで会場へ一歩足を踏み入れた途端、ずらりと並んだ服が放つ輝きに目を見張りました。

シンプルでベーシックなアイテムの中にも、品の良いモード感と甘くないエレガンスが光っています。デザイナーさんは元々、パリ発の某ビッグメゾン(憧れの有名ブランド)にいらっしゃった方なのだそう。宮内庁に納められている生地を使うなど、日本の良質な素材と高い縫製技術への誇りとこだわりも伺い知り、納得です。スタートしたばかりのブランドのフレッシュさとは良い意味で裏腹な、格調高さと信頼が感じられる服だと思いました。

どれもこれも着てみたい。いろいろと試着させていただく中、わたしの歴史が変わる瞬間は、唐突にやってきたのでした。

「(これまで17年間着てきたコートよりも)今年からは断然これを着たい!このコートが似合う人になるんだ!」

という意志とワクワクがドンと湧く一品に出合ってしまったのです。鏡の前で回ってみては、止まってみては、ポケットに手を入れてみては、ため息が出るほどときめきます。ああなんて素敵なんでしょう。こうなったらもうどうしようもありません。参りました降参です。そもそもコートというアイテム自体を必要としていなかったのに、即決。自分でもちょっと驚きました。

そうして今年2月にオーダーさせていただいたコートが先日ついに出来上がり、届いたのです。

半年以上まだかまだかと待ち焦がれるうちにイメージが高まりすぎたかと思いきや、展示会で拝見したときの感激そのまま。あらためて感動。とっても気に入りました。まだ秋になったばかりなのに、早く寒くならないかしらと楽しみにしています。新しいコートと、新しい冬。

実はかねがね、実家の母親から「あなたは家具だアートだと家の中の物には思いっきりお金をかけてる様子だけど、そんなことよりきれいな服やバッグや靴を買ってもっとお洒落しなさい!女の子なんだから!」なんて、いい歳をして口酸っぱく言われ(心配され)続けてきました。今回は「お母さん、コート買ったよ~!」という、主に故郷へ向けたアップデート報告です・・・。

コートの新調を契機に、また先代のコートに対してあらたまる感謝とリスペクトもあって(まだしつこく着ると思いますが)、最近は「次の10年20年」使うことを大いなる目標とした買い物に取り組んでいます。服に、靴に、アクセサリー。10年20年後、どんな物が似合う自分になりたいか。50歳60歳になった自分の装いに採用される物を、今選べるかどうか。自分のことなのに、難しくて楽しいです。

 

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