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CLASKA ONLINE SHOP 速水真理のブログ

「アップデートする暮らし」第14回:喜ばれる客になる

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20代のころから、かれこれもう15年近くお世話になっている、同い年の美容師さん(中目黒「ELLA」の五十嵐拓也さん)。

絶大な信頼を寄せてきた、大好きな方です。カット技術はもちろんのこと、なにより、メールやトークがピカイチ。

その五十嵐さんにいつも遊んでいただいていることが、今回のテーマです。

カットが始まったら、「頼りにしてますよ~!」「早くもいい感じ~!」「技、持ってますね~!」など、ちょこまか応援して盛り上げつつ。

自分の話をするよりなんとか五十嵐さんの最旬面白トークを聞き出したいため、なにか質問されても負けじと振り返したり、近況についてあれこれインタビューしては、ウケたり、労ったり、ツッコんだり。

全力のリアクションで、会話を楽しませてもらってます。

そうしてずーっとキャッキャ笑っていたら、毎度あっという間にカット完了。

仕上がりは、五十嵐さんが笑顔でベストを尽くしてくださった結果がわたしにとってもベストなので、いつだって大満足。

帰りには「はぁ〜今日も面白かった~。ありがとうございました!」と元気に見送っていただけ、次の予約メールには「楽しみにお待ちしております!」とお返事くださるのが、客として無上の喜びです。

喜ばれる客になりたい。来店を楽しみにしてもらえる客になりたい。いい気分で、最高の仕事をしてもらいたい。

この「喜ばれる客になる」遊び(お店の人の笑顔を獲得ポイントとして稼ぎ、結果的にベストパフォーマンスを享受するゲーム)は、美容師さん相手に限らず、飲食店の店員さん相手でも、どこでもできるし、楽しいのでおすすめです。

先日は、雑誌で見た白いレザーのレースアップシューズに一目惚れし即、クレジットされていたセレクトショップへ赴いたものの、広い店内のどこにもその靴が見つからず。意気消沈して帰ろうとした最後、念のため店員さんに尋ねたところ、なんと、バックヤードを探したらあった(入荷したばかりで手つかずだった)、という。店員さんナイス発見。

「あって、よかった~!(雑誌の写真から想像した通り、実物も)やっぱり素敵ですね~」と感激するわたしに、その店員さんはさらっと「このブランドは最近デザイナーが代わって、特に『白』が良いんですよ」なんて、素晴らしく粋なコメント(多数のブランドを取り扱う大きなセレクトショップなのに、細かな知識に私見を織り交ぜる高等技術)で胸キュンさせてくださり、いたく感心しながら気持ちよく即決。

そんなわけで「店頭に出してなかった商品(しかも結構いいお値段)が一瞬で売れる」ちょっとしたミラクルを、店員さんに驚き喜んでもらえました。

欲しかった靴を見事ゲットできてうれしかったし、笑顔獲得ポイント、高かったです。

そして最近わたしは、これらの経験を活かし、とある、苦手だった場所を克服しました。

どうにも苦手で、これまで行けなかった場所。それは、百貨店の、美容部員さんがいらっしゃる化粧品フロアです。

何が苦手だったんでしょう。

隙の無いメイクをした美人に取り囲まれる緊張感。わたしのセルフメイクがイケてないと思われてないか?という恐怖。いちどカウンターに座ったら、何か買わずには帰れないのでは?というプレッシャー・・・。

女性の中には、わたしと同じように「化粧品フロアは、美容部員さんたちと目が合わないよう、俯いて足早に通り過ぎることしかできない(できなかった)」ことに共感していただける方もいらっしゃるかもしれません。

男性に、このビビり感覚を伝えるにはどう例えたらよいのでしょうか。ホストクラブへ行ってイケメンホストに囲まれながら「どうやったらそんなに格好良くなってモテられるんですかね?化粧品、何をどう使ったらいいんですか?」と訊くようなイメージでしょうか。

(男性は女性よりずっと繊細で誇り高い生き物だから、置き換えること自体に無理があったかもしれません。)

ともかく、わたしが「メイクをプロからちゃんと学んでみたいのに化粧品フロアが怖くて尻込みしている」ことを会社で打ち明けたところ、年下のスタッフたちが明るく助言してくれました。

広報の牛田さんは「わたし、学生時代からよく行ってましたよ~。暇そうにしている美容部員さんが仕事を楽しむための、相手をしてあげると思ったらいいですよ。行ったら喜ばれますよ」

なんと。

美容部員さんを「暇から救う」なんて発想は、無かった!

編集の落合さんも「別に何も買わなくても、美容部員さんにメイクしてもらうと、自分じゃないような新しい顔に出合えて楽しいですよ~」と言う。

そうなのか~。

それではここで、美容部員さん側の視点で考えてみましょう。

わたしが、コスメカウンターで店番をしているとする。暇は、いちばんつらい。どんな人であれ、ともかくお客さんが立ち寄ってくれるだけで、うれしい。商品を見てくれるだけで、うれしい。興味をもって質問でもしてくれようなら、なおうれしい。メイク体験してくれたら、すごくうれしい。それで、もしも買ってもらえたら、最高にうれしい。でも何も買わなくてもいいから、また来てくれたらうれしい。

なあ~んだ!そんなことか。逆の立場で想像したら、ようやく、よくわかりました。わたしが勇気を出して行きさえすれば、美容部員さんは、喜んでくれるんだ。

そういや、だいたい美容部員さんたちだって、みんなわたしと同じようにそれぞれの田舎から東京へ出てきて、精一杯気張って働きながら、初対面の仕事相手に緊張しながら、それでもそこで頑張っているんだ。みんなお互いさまで、一緒なんだ。やっと気づいた。ビビっててどうする。

自分を奮い立たせ、一切の引け目や恐れを無くし、「美容部員さんを暇から救う、喜ばれる客になろう」という発想に切り替えたら、「それなら行ける。きっとできる。サロンで五十嵐さんに遊んでもらってる、いつものアレだ」と、すっかり楽しく前向きになれました。

メイクに詳しくない初心者として、素直に「教えてください!」という姿勢で訪問しよう。積極的に質問しよう。教えてもらったら「なるほど~!」「すご~い!」など、しっかりリアクションを取り、言葉なり笑顔なりお買い物なりで、心から敬意と感謝を伝えよう。

そんなイメージトレーニングをしてから、いざ、GINZA SIX の化粧品フロアへ。(初めてにしていきなり日本最高峰のステージへ駆け上がってしまう自分のチャレンジ精神・・・)

休みの平日、午前中に様子を伺ったら、狙い通りでした。

(よっしゃチャンス!ちょうどお客さんが居なくて、美容部員さんたち、思いっきり暇そうにしてる~♪ これより、わたくしが、その暇から救いますよ。)

憧れのコスメブランドのカウンターへ。ドキドキ、すすすと歩み寄り、美容部員さんの目を見て

「このファンデーションがすごく良さそうで、気になって来たんですけど、色の選びかたや使いかた、ほかの商品との違いなど、いろいろ教えていただけませんか?」

(言えた~!やった~!)

そうしたら、美容部員さんとは、かくもおそるべし。わたしの顔をぱっと見たひと目で肌質を見抜いた上で、商品を推すのではなく、わたし自身が「どんな質感の仕上がりを目指したいのか」聞いてくださり、「でしたら、気になられている商品よりもこちらの商品の方がきっと合ってますよ」と別の比較検討候補もお薦めしてくださり、でも最終的な選択はわたしに委ねるという、素晴らしくスマートで過不足ない接客をしていただけ。「プロフェッショナルや~」と、すっかりメロメロになりました。あ~、行ってよかった。感動した。

(暇そうなときに、また来ます。)と、心に誓い。

常に、喜ばれる客を目指そう。もう、行きたくても入れない店など無い。勇気りんりん。

新しい髪型、メイク、服や靴やバッグと共に、春へ向かう心うきうき。です。

 

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